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保守保全・メンテナンス業務用のARはどう選ぶ?-種類と選び方のポイントを紹介-

2021/12/02 AR ビジネス活用 Aspace Enterprise 実績・事例

製造・建設業など稼働している機械や設備の点検が求められる業界では、保守保全・メンテナンスといった作業が定期的に発生しています。そのため、慢性的な点検の人手不足が続いているというデータがあります。そこでARソリューションが人手不足の打破に効果を発揮します。ARソリューションを導入することで機器の保守や保全、メンテナンスの作業を効率化することができます。今回は、ARソリューションについて種類と選び方のポイントをお伝えします。

保守保全・メンテナンス業務におけるAR活用メリット

ARは、特に製造・建設業など機械が稼働している業界や建物や設備を取り扱う業界の保守保全・メンテナンスにおいてメリットが大きい技術です。早速ARを活用するメリットを紹介します。

・教育機会の拡大

製造・建設業界では先述した人手不足により、ベテラン従業員が新人教育に充分な時間を割けず、技術の継承が進まない状態が続いています。

しかし、ARを活用し、実際の作業環境に近い状態を作り出すことで、時間や場所にとらわれず、何度でも繰り返し訓練ができるため、効率的に教育を進めることができます。

例えば、新人の教育にAR専用のヘッドマウントディスプレイを利用し、ディスプレイに作業手順や指示を表示することで、体感的に業務を体験することができます。この方法であれば、手順の間違いや操作ミスがあっても、トラブルにはならないため、何度でもやり直すことが可能です。作業内容はいつでも見直せるため、一度で覚える必要やベテラン従業員が付きっきりになる必要もありません。不慣れな人や言葉が伝わりにくい外国人労働者でも、トレーニングは何度でも繰り返すことができるので安心です。

シェア世界一のAR開発エンジン「Vuforia」を提供するPTC社の事例では、AR を導入することでトレーニングコストを最大50%削減した事例もあります。

・作業の効率化によるコスト削減

保守保全・メンテナンスの現場では、作業マニュアルや手順を記載した複数の紙媒体を持ち運びながら、技術者が目視で実施する手法が一般的でした。作業マニュアルや手順書も膨大な量であるため、メンテナンス対象となる設備用の紙媒体を探し出すだけでも苦労しているという現場も存在します。

ARの導入により、設備にモバイル端末付属のカメラをかざすことで、ディスプレイに設備の状態・作業手順を表示できるため、資料の準備や確認が効率化出来ます。さらに、複数の資料を持ち運ばなくてよいため、保守保全・メンテナンス業務の効率が上がります。

作業箇所や手順を確実に確認できるので、作業ミスが減少し、技術者のレベルも自然に上がっていきます。次に行う作業や、特定の部品に必要な工具、熟練者でなければ知らないような確認のポイントも表示できるため安心です。

特に、規模の大きな製造工場では点検項目が多く、それらを目視で確認していたため、ケアレスミスも多く生じているのが実情でした。しかし、ARソリューションを導入し、多くの資料とアナログ作業を排除したことで、点検作業の大幅な効率化と作業ミスの削減を実現している事例がいくつもあります。

PTC社の事例では、年間4,800時間もの作業時間の節約に成功した事例も存在しています。

・遠隔地での作業指示が可能になる

現在は、ベテラン従業員や上司が作業現場に同行し、作業指示を出す方法が一般的です。

ARソリューションを導入することで、ベテラン従業員や上司が点検現場に行かずとも、遠隔地から都度、的確な指示を出すことが出来ます。

具体的には、AR専用スマートグラスやゴーグルなどのデバイスを利用することで、作業者は映し出された手順を確認しながら作業を進めることができます。同時に遠隔地にいるベテラン従業員や上司は、デバイスに内蔵されたカメラからの作業者目線の映像を手元のタブレットやPC端末のディスプレイで確認することが出来ます。
1人の専門技術者が複数の作業現場に立ち会うことも可能になるため、熟練者が不足している現場でも作業指示が受けられるようになります。トラブル発生時にも遠隔地にいる熟練者と連携しながらいち早く対応できるため、トラブル時に、作業手順がわからなかったということもなくなり、解決に至るまでのスピードと精度が高まります。

初回訪問で解決できる確率が上がり、再訪問件数が減らせるため、出張費用も削減可能です。
PTC社の事例では、実際に訪問回数を25%削減した事例も存在します。

「AR」といってもさまざまな種類が存在

ARには高度・高品質なものから簡易なものまで、さまざまな種類が存在します。一般的にARソリューションは、「簡易方式」、「2D AR」と「3D AR」に大別され、現在は画像の認識による技術を用いた2D ARが一般的です。

「AR」といってもさまざまな種類が存在図1

ARは主にスマートグラスやスマートフォン、タブレットなどで表示します。それぞれのARを用途に合わせて、適材適所かつ適切なタイミングで活用することが重要です。

しかしながら、保守保全・メンテナンス業務分野には、どのARが適しているのでしょうか。次章で詳しく解説していきます。

ARソリューションの選び方のポイント

結論からいうと、保守保全・メンテナンスの分野は、3D ARをおすすめします。

ARソリューションの選び方のポイント図1

「2D-AR」の「画像の認識」には、「ARマーカー」と呼ばれる<画像>が必須です。ただし、マーカーを正確に現場に掲示するのは準備に手間がかかります。また、マーカーが汚れたり、遮蔽されたりするとARの認識精度が劣化してしまいます。

これらを踏まえ、安心安全を担保する保守保全・メンテナンスの分野には、「モノの認識」「空間の認識」に対応した3D ARを推奨します。

保守保全・メンテナンス分野に有効なAR導入を

ここまででご紹介したようにARは、特に製造・建設業界などの保守保全・メンテナンス分野において、教育機会の拡大や作業効率化によるコスト削減、遠隔地での作業指示などで大きな効果を発揮します。

各ARの特性を把握し、効果的なAR導入を実現していきましょう。当社プレミアムアーツでは、長年ARソリューションの導入をサポートしてきました。本記事でも紹介したARソリューションの選び方や導入の流れに加え、費用イメージと最適なARソリューションを紹介している「ARソリューション導入サポートガイド」という資料を無料で提供しています。ぜひ、ARの活用を検討している方はダウンロードしてご活用ください。

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